映画「マイ・アーキテクト〜ルイス・カーンを探して」感想

2003年アメリカ作品。建築物がある素敵な風景が見たくて観に行った映画です。テーマの建築家ルイス・カーンのことは全く知りませんでした。
2番目の愛人の息子であるナサニエル・カーンが11歳の時に死に別れた有名な建築家の父ルイス・カーンの作品と人生を巡る旅。父はどんな仕事をし生活をしどんな風に生きてきたのか?全てはわからなくても一部でも感じることができてこの映画を作った(監督・脚本・製作・主演・ナレーション)息子は大満足なのではないかなと思いました。凄いと言われている建築物(ソーク生物研究所、バングラディシュ国会議事堂)の映像も良いけれどドキュメンタリーなので色々な人のルイス・カーンについてコメントがとても興味深かったです。全員が褒め称えるでなく、ルイス・カーンに腹を立てている人や楽しい思い出を語る人、辛かったことを話す人、感謝する人、懐かしむ人、愛を思い出す人。人の評価は一筋縄ではいかないものですね。
印象に残ったことライバルの建築家が言った「60の駄作より2、3の傑作」そしてラスト「バングラディシュ国会議事堂」で係りの人が父ルイスの偉大さを語りながらいつしか息子ナサニエルを慰めていたところは涙がポロリと出ました。言葉の力はやっぱりすごいな人を傷つける道具にもなれば人を癒やすものにもなるのです。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート作品でした。